共同通信配信記事 2009年12月18日付

九大が経済難学生に10万円支給 千人に緊急支援


九州大(福岡市)は18日、急激な経済情勢の悪化の中、勉強を続けている学生の緊急支援策として、在学生千人に1人当たり、奨学一時金10万円を支給することを決めた。九大によると、千人規模での現金支給は珍しい措置という。来年1月末までに支給し、返還義務はない。

対象者は、成績や実家の所得水準が九大の授業料免除基準を満たし、2009年度後期に免除を申請したが予算枠を超えたために希望通りの免除を受けられなかった大学生と大学院生。

九大によると、06〜08年度の授業料免除申請者数は前、後期で年間延べ4900人前後だったが、09年度は約200人増加。09年度後期は183人が免除を受けられず、半額免除にしかならなかった学生も約1800人いるという。

有川節夫学長は「必ずしも十分な額ではないが、支援のメッセージになると思う。つらい経済状態の学生も相当数いると思うが、めげずにしっかり勉強して、力強く羽ばたいてほしい」と話している。