『読売新聞』2009年12月15日付

財務省VS文科省、科学予算巡りHPでも攻防


来年度予算の査定で削り込みを目指す財務省と予算確保を狙う文部科学省が、それぞれの主張をホームページで戦わせている。

行政刷新会議の「事業仕分け」で国民の予算への関心が高まるなか、互いに世論へのアピールを競う異例の展開だ。

財務省は今月3日、事業仕分けでも議論された、国立大学の人件費などを賄う「運営費交付金」や、科学技術関係予算などの増額を求める文科省をけん制する資料をホームページに掲載した。国立大学の収入はこの4年で2649億円増加していることや、官民合わせた研究開発費が対GDP比で主要国随一の水準であることを強調した。

これに対し、文科省は12日になって反論を開始。国立大学の収入増は付属病院の増収などに伴うが、支出も増加、日常的な教育研究活動の経費は増えていないと反発。科学技術関係予算についても、欧米やアジア各国が急増しているなかで日本はほぼ横ばい、民間を除いた研究開発費は対GDP比で主要国のなかで低水準と主張している。文科省の担当者は「データには様々な見方があることを示す必要がある」と話す。