『大阪日日新聞』2009年12月12日付

府立大改革案「再検討を」 卒業生ら知事に要望書


理系に特化する方針を打ち出した大阪府立大の改革案をめぐり、同大の卒業生らでつくる「大阪府立大学問題を考える会」は11日、大学側に十分に議論する時間を設け、再検討するよう求める橋下徹知事あての要望書を府に提出した。

同会は現在の大学として統合される前の、旧府立大、大阪女子大、府立看護大、大阪社会事業短大の卒業生20人で発足。今回の改革案を「府の方針に迎合しただけで、大学の自主的なものではない」ととらえている。

要望書によると、関係者の議論に十分時間をかけられるよう、再度府立大学へ働きかけること▽2005年の統合の成果も半ばの時であり、改革は再検討すること−を求めている。

同会代表で旧府立大卒業生の中井英二さんは「これは決して僕たちのノスタルジーではない。大阪に文化を積み上げてきたものが今なくなろうとしており、少なくとももっといろんな意見を集約するべきだ」と話していた。

会としては今後、年内をめどにホームページを立ち上げ、卒業生のほか在校生、府民らに賛同を求めるなど活動の輪を広げていく考え。