『毎日新聞』2009年12月17日付

愛知教育大:省エネ「日本一」 国立60大学調査


全国にある教職員数500人以上の国立大学法人60の中で、愛知県刈谷市の愛知教育大(松田正久学長、学生数4320人)が06〜07年度などに、単位面積や1人当たりの年間のエネルギー使用量と、温室効果ガス排出総量とも最少だったことが分かった。

60大学の環境状況に対する比較検討結果が出たのは初めてという。8大学の教員ら10人による大学等環境安全協議会プロジェクトが、05〜07年度の各大学環境報告書のデータを分析した。

それによると、床面積1平方メートル当たりの年間エネルギー使用量(単位=ギガジュール)は、06年度の最少が愛教大の0.61で、平均は1.82。07年度の最少は愛教大の0.63、平均は1.87だった。

職員、学生など構成員1人当たりの年間エネルギー使用量でも、愛教大は07年度が10.98など05年度から3年連続で最少。いずれも大学平均の5分の1程度だった。

温室効果ガスCO2の年間総排出量も、愛教大は06年度2441トン、07年度2690トンでともに最少。大学平均の06年度2万8638トン、07年度3万1416トンの約11分の1となった。

数値は学部学科の構成や付属病院の有無、自然環境の条件などで変わるが、環境対策によるところも大きいという。松田学長は「省エネタイプの機械設備や太陽光発電、人感センサー対応照明などを積極的に導入したり、CO2を多く出す重油ボイラーの廃止や自転車利用の勧めなど、多様な環境対策を進めてきた。今後も自然環境を生かし、環境重視型のエコキャンパスを目指したい」と話す。【安間教雄】