『NHK』2009年12月17日付

国立大教職員 予算充実を訴え


来年度から高校の授業料の実質無償化が実施される見通しとなっている一方で、国立大学への交付金はこれまで以上に削減されるおそれがあるとして、全国の大学の教職員たちが東京で集会を開き、大学に関する予算の充実を訴えました。

東京・千代田区で開かれた集会には、全国の国立大学の教職員およそ100人が参加しました。集会ではまず、国から国立大学への「運営費交付金」が、ここ5年で毎年1%ずつ削減され続け、退職した教員の補充や専門書の購入などに支障を来している実態が報告されました。そのうえで、主催者が、来年度から高校の授業料の実質無償化が実施される見通しとなっていることに触れ、財源を確保するため、大学への運営費交付金がこれまで以上に減らされるおそれがあると強い危機感を示しました。そして、運営費交付金の増額や返済の必要のない給付型の奨学金の導入など大学に関する予算の充実を政府に求めていくことを決めました。集会に参加した筑波大学大学院の教授は「人員削減が続き、少ない教員で授業を続けるのは限界だ」と話していました。また、金沢大学の教授は「公費で賄えない資料は、私費を削って購入して授業を行っている。このまま交付金が削減されると、授業料の値上げなど学生にも深刻な影響が出るおそれがある」と話していました。