『しんぶん赤旗』2009年12月16日付

「事業仕分け」で補助金カット
若手研究者“待った”
21グループ異例の声明


生命、宇宙、物理など自然科学系学会の若手研究者21のグループが15日、いわゆる「事業仕分け」で若手研究者支援の予算が削減と判定されたことにたいし、「私たちの世代だけでなく、未来の研究者となる、さらに次の世代の失望につながってしまうことを危ぐする」との共同声明を発表しました。同日、文科省などに送付しました。

各学会の若手の会が分野の垣根を越えて声明を出すのは異例。

声明では、「革新的な研究成果を生み出すためには、若手研究者が失敗を恐れずに困難な研究課題に挑戦することができる戦略的な支援が必要」と強調。仕分けの対象となった特別研究員制度や科学研究費補助金などの支援制度の充実を強く求めています。

また、基礎的な研究の支援と若手研究者育成は「先人が積み上げてきた『知』を継承するのみならず、わが国の将来の科学技術力の基礎を築くことにつながる」と指摘。「博士号取得者の活用法からわが国の将来の科学技術のあり方までより時間をかけて議論を行った上で、若手研究者支援の枠組み全体に関しての予算措置および再設計がなされること」 を要望しています。