北大当局の超理不尽な態度

神沼公三郎(北大職組委員長)です。

北大では人事委員勧告準拠の賃金不利益変更問題について、10月29日、11月5日、11月11日と3回の団交を重ねたあと、ずっと団交が再開されていませんでした。そして本日(12月4日)になって大学当局が、第3回団交をもって終了すると伝えてきました。これは不当きわまりない態度です。大学当局との法的全面対決を選択せざるを得ないでしょう。

この間、大学当局はつぎのとおり不当労働行為を少なくとも3回、明白な法律違反を1回、犯しています。

(1)11月11日の第3回団交のとき、いい加減な内容の代償措置を組合側に示したあと、これで(賃金不利益変更の)団交は終わりだと言って、理事(事務局長)を先頭に、部屋から出て行ってしまった(不誠実団交の不当労働行為)。

(2)契約職員のボーナス切り下げを組合に何も伝えず、11月12日に当局が過半数代表に説明会(11月17日)開催を通知した資料のなかにこの項目が入っていた。組合は過半数代表者からの連絡で、この項目があることを初めて知った(不誠実=情報非公開の不当労働行為)。

(3)結局、契約職員(8時間雇用の非正規雇用職員)のボーナス切り下げを団交で1回も議論することなく、大学当局は12月1日に契約職員就業規則の改定を行った(労働契約法違反)。

(4)11月12日以降、組合は6回から7回、第4回団交の早期開催を要求したが、結局、開催されなかった(正当な理由のない団交引き延ばし、そして拒否=不当労働行為)。

これらの項目を含めて、以下に経緯を紹介しますが、法的全面対決になると、2005年度に発生した寒冷地手当問題のときに次いで、北大では2回目になります。前回もそうでしたが、今回も組合側が負ける要素は見つかりません。 



    人事院勧告準拠の賃金不利益変更問題に関する経過

1. 2009年10月6日(火)、団体交渉申し入れ。
                 
2.北大当局は団交の開催について何の連絡も寄こさないまま、10月13日(火)に学長名文書を(1)部局長へ、(2)職員へ。あたかも北大で、人事院勧告準拠の賃金切り下げが決定したかのような紛らわしい内容の文書。これを読んで誤解した人が多い。

3.10月29日(木)、第1回団交

第1回団交の冒頭に、うえの「2」の行為について厳重に抗議する。団交の開始に当たり、大学当局は賃金不利益変更について何も資料を用意しなかったので、組合が「とにかく何か資料を出せ」と言ったら、急いで「人事院勧告の概要」のコピーを取ってきて配布した。

4.11月5日(木)、第2回団交 

5.11月11日(水)、第3回団交(大学当局、途中退席)

この団交の最後に、大学当局(事務局長=理事)はいっぺんの紙片に書いた代償措置3項目(およそ代償措置に値しない内容)を組合側に配布したあと、代償措置に関して何の議論もしないまま、もう今回の賃金不利益変更に関する団交はすべて終わりだ、と言って部屋から出て行った。組合側は、出ていく当局者に、不当労働行為だから法的対抗措置をとると叫ぶ。

6.11月12日(木)

北大職員課が朝から神沼に、会いたいとの連絡。最初は断ったが、しつこく言ってくるので仕方なく夕方、書記長と二人で職員課長、同課長補佐に会ったところ、「昨日の終わり方は申しわけなかった。代償措置に限り、組合と協議したい。」とのこと。

7.11月12日

大学当局から過半数代表者に、11月17日に賃金不利益変更の説明会を行う旨、mail連絡。11月11日の団交を強引に終わらせたのは、恐らく11月17日に説明会を予定していたから、と思われる。そのため、とにかく説明会よりも早くに、というよりも説明会の通知を出すよりも早くに組合との交渉を終わらせたかったのだろう。

8.11月12日

ところが、大学当局から過半数代表者への連絡文書のなかに、契約職員(=8時間勤務の非正規雇用職員)のボーナス切り下げ項目が入っていた。これは、今回の賃金切り下げ問題が始まって以降、大学が組合に全く知らせていなかった事項である。組合はこの項目を、過半数代表者からの連絡により初めて知る。

なお、2005年度に発生した寒冷地手当問題の解決に当たり、2006年7月13日に北大職組委員長と北大学長のあいだで交わした確認書の第5項目は次のとおり。

「5.今後とも,給与その他の労働条件の変更の提案にあたっては,十分な労使協議の時間を確保し,その根拠となる関係資料を提示して両者誠意をもって交渉すること。」

9.11月16日(月)

11月16日の組合執行委員会で「6」の申し入れについて討議し、単なる協議の場ではなく団交の場で代償措置について議論する、という方針を決定する。

10.11月17日(火)

朝、神沼が上記の方針を職員課に伝えて、団交の継続を確認する。

11.11月17日

北大当局による過半数代表者への説明会。

12.11月18日(水)−11月27日(金)

その後、たびたび当局に第4回団交の早期開催を求めるが、いずれの場合も待ってほしいとの返事。

組合は契約職員(8時間雇用の臨時職員)のボーナス切り下げ問題(「8」)を重視。このままでは、同問題について一回も団交を行わないまま基準日(12月1日)を迎えることになる。

13.11月30日(月)

学長あての緊急申し入れ書を提出。それを職員課に提出するとき、神沼がこの文書の趣旨を次のように発言(質問)する。「そもそも、なぜ契約職員(=8時間勤務の非正規雇用職員)のボーナス切り下げという課題をいっさい組合に伝えなかったのか。このままでは団交を一度も行うことなく、明日の基準日を迎え、そしてボーナスを切り下げることになるが、これは明らかに労働契約法に違反する。」

14.12月2日(水)

朝、神沼が、新たな抗議文を持って職員課を訪れる。そのさい、「第4回団交はいつになるのか」と質問。課長「いま検討している。」

15.12月4日(金)

書記長が職員課に、第4回団交を早く開催するよう申し入れ。午後1時すぎ、職員課から書記長に電話があり、「事項を伝えたい。すぐ終わる。」 神沼と書記長の二人で職員課長、同課長補佐に会ったところ、「(賃金切り下げ問題は)前回の団交(11月11日の団交)で終了しており、もう話し合うことはない。」

以上です。