『しんぶん赤旗』2009年12月6日付

ポスドク支援拡充を
東京で集会 予算削減論を批判


博士課程を修了しても短期雇用で劣悪な研究労働条件にあるポストドクター(ポスドク)、非常勤講師などの若手研究者が多数生みだされています。この問題を解決する方策をめぐって5日、東京都港区で「ポスドク・フォーラム」が開かれました。

国公労連、筑波研究学園都市研究機関労働組合協議会、全国大学高専教職員組合、日本科学者会議、全国大学院生協議会の5団体でつくる実行委員会が主催したもの。

集会では、ポスドク当事者であるNPO法人サイエンス・コミュニケーション理事の榎木英介さんが講演しました。榎木さんは政府の事業仕分けで、科学技術関連予算、とくに若手研究者支援の予算削減の判定に「衝撃を受けた」とのべ、数年前、フランスで社会的な支持を得た「研究を救え運動」の経験を引き、「知を大切にする社会のための行動、連携を」と訴えました。

集会では、緊急アピールを採択。現状でも若手研究者の雇用不安が深刻なのに、これ以上支援の予算が減らされたら「多数の失業者が生み出されかねない」「日本社会にとって計り知れない大きな損失」と、削減を取りやめ拡充する方向へ転換するよう求めました。

この日、若手研究者問題の解決に向けた提言素案を討議。来年のシンポジウムで発表したいとしています。