『読売新聞』2009年11月30日付

「里山里海」でビジネス創出 金沢大が奥能登地域で活動へ


金沢大は、三井物産環境基金の支援を受けて奥能登地域を中心に3年間、里山里海を活用して地域ビジネスなどを生み出し、地域の持続可能な発展を目指す活動「里山里海アクティビティ」に取り組む。珠洲商工会議所で29日、記者発表するとともに、シンポジウムを開いた。

同大の「能登半島里山里海自然学校」などでの成果を受け継ぐ第2段階との位置づけで、里山里海を活用した農林漁業、観光などでのビジネス創出を目指す。また、都市圏の大学、企業などの里山里海の調査研究や環境保全活動を能登に呼び込み、地域外との交流拡大を図る。体験交流プログラムの構築にも取り組む。

活動の推進には、公募した「協働ディレクター」1人を同大研究員に採用して駐在させてあたらせるとともに、手助けする「地域コーディネーター」2人を配置する。交流拡大の目標として、2012年9月までの3年間で延べ1000人を掲げている。予算は、同基金からの800万円のほか、同大、県、市町が出し合い、年間計1400万円を見込んでいる。

シンポジウムでは、泉谷満寿裕・珠洲市長が「地域の活性化、ブランド化につながれば」と期待を寄せ、持木一茂・能登町長が「自治体の枠を超えて連携していかなければならない」とあいさつ。プロジェクト代表の中村浩二教授が活動の概要を紹介し、佐藤哲・長野大教授らが講演し、パネル討論が行われた。

同会議所では、金沢大主催で、黄砂研究の成果発表や「能登における教育研究の新展開」についてのパネル討論など、能登総合シンポジウムが1日まで行われる。