『神戸新聞』2009年12月1日付

スパコン事業推進を 県内3大学の学長が要望書
 

神戸・ポートアイランドで進む次世代スーパーコンピューター(スパコン)事業が、政府の行政刷新会議による事業仕分けで「事実上凍結」と判定されたのを受け、県内3大学の学長が30日、川端達夫・文部科学相に判定の見直しを求める要望書を提出した。

福田秀樹・神戸大学長▽熊谷信昭・県立大学長▽高阪薫・甲南大学長-の3人。神戸大は来年4月、計算科学などを学ぶ「システム情報学研究科」を大学院に新設予定で、県立大もスパコンの近くに大学院設置を目指している。甲南大は今年4月、スパコンとの連携も視野に入れた「フロンティアサイエンス学部」を開設した。

要望書で、3学長は「事業の凍結・遅延は、わが国の科学技術の展開、国際的な競争力の優位性に悪影響を及ぼす」とし、「事業仕分けによるわずか1時間程度の作業による結論の出し方には問題がある。広く科学技術者の意見を聴取すべき」と主張。その上で「3大学も、今後の利用や研究教育活動に支障をきたすので、ぜひ当初の計画通り建設を」と求めている。(中島摩子)