『日本海新聞』2009年11月27日付

11億円再申請 鳥大バイオ拠点施設整備費大幅減額


鳥取大学米子キャンパス(鳥取県米子市)に計画しているバイオ産業の研究拠点施設をめぐり、国の補正予算の見直しで整備費に充てる補助金が大幅に減額となる問題を受け、平井伸治知事は26日の県議会本会議で、当初予定していたハコモノを含む約25億円規模の補助金を断念し、半額以下となる約11億円の補助金を国の機関に再申請したことを明らかにした。

県や知事答弁によると、新施設の建設が困難となり、計画を縮小。キャンパス内の既存施設を活用し、補助金を機器整備や改修費に充てる。不足分は国の交付金を活用するという。

県や鳥取大は、鉄筋6階建て延べ床面積約2500平方メートルの研究施設を計画し、文科省の「地域産学官共同研究拠点整備事業」による補助金で建設する予定だった。

しかし、国は同事業費695億円のうち432億円を削減する方針を提示。平井知事は本会議で、計画を見直して今月20日に再申請したと説明したが、「(補助金に)30地域が集まっており、競争的な資金になっている。いまは審査を見守る状況」とした。

県によると、遺伝子を分析する機器やマウスの飼育設備などに補助金を充てるといい、平井知事は「県内のバイオ産業の突破口を開き、雇用を生み出す。情熱を傾けて実現する必要がある」と話した。

上村忠史議員(県議会自民党)の代表質問に答えた。