『山梨日日新聞』2009年11月27日付

山梨大病院院内助産室を開設
産科医の負担軽減へ


山梨大付属病院は26日、助産師が主体となって正常分娩(ぶんべん)や産後ケアに当たる「院内助産室」を開設した。国立大で院内助産を導入するのは全国初といい、妊婦と家族のお産に対する満足度や助産師の能力の向上、産科医の負担軽減につなげる。

対象は、本人が希望し、産科医が出産に伴うリスクが低いと判断したケース。助産外来と併せ、健診時から慣れ親しんだ助産師が介助から産前産後のケアまで行い、妊婦の多様なニーズに応える。

同室には、分娩台や超音波診断装置などの設備のほか、間接照明も設け、リラックスできる雰囲気にした。お産の際の緊急事態には、院内に待機する産科医が対応するため、「安全水準は下がらない」(同病院)という。

同室でのお産は早ければ来月にも始まる見通しだが、本格的な分娩開始は来年7月以降。当面はベテランの助産師8人の態勢で対応するといい、将来的には200件ほどの分娩を取り扱いたい考えだ。26日には開設式が行われ、妊婦、赤ちゃん、家族、助産師の「四つの心」との意味を込めて名付けた「よつ葉ルーム」の看板を島田真路院長らが設置した。