共同通信配信記事 2009年11月26日付

野依氏ら科学予算で要望 「しっかり支援」と首相


行政刷新会議の事業仕分けで科学技術予算に厳しい判定が相次いでいることをめぐり、野依良治理化学研究所理事長ら6人のノーベル賞受賞者が26日午後、官邸で鳩山由紀夫首相と会談し、配慮を求める要請文を手渡した。首相は「科学技術はしっかり支援する」と応じた。

要請文は「資源の乏しいわが国にとって科学技術の脆弱化は国家の衰退を意味する」などと指摘。仕分け作業後の刷新会議や来年度予算編成を念頭に「未来への投資である科学技術への格別の配慮」を求めた。

会談で野依氏は「科学技術は厳しい国際競争に勝たなくてはいけない」と強調。小柴昌俊平成基礎科学財団理事長は「科学研究は世界一でなければ意味がない。1番と2番では百倍以上、価値が違う」と訴えた。

首相は終了後、記者団に「科学技術は資源のない国の重要な知的財産だ。受賞者の意見を参考に方向を考えたい」と述べた。