『長崎新聞』2009年11月27日付

長崎大のグローバルCOE予算縮減 事業仕分け、見直し求める声も


行政刷新会議が25日行った事業仕分けで、世界をリードする研究拠点を構築するグローバルCOEプログラムの予算が3分の1程度の縮減と判定されたことを受け、二つの同プログラムに取り組む長崎大には不安が広がり、縮減の見直しを求める声が上がった。

同大では「放射線健康リスク制御国際戦略拠点」(2007〜11年度)「熱帯病・新興感染症の地球規模統合制御戦略」(08〜12年度)という二つの研究がグローバルCOEプログラムに採択され、研究費用が配分されている。

片峰茂学長は26日、「熱帯病・新興感染症の地球規模統合制御戦略」の一環として同大で開いた国際シンポジウムであいさつ。事業仕分けで予算縮減と判定されたことを紹介し、「国際貢献は重要だが予算カットの対象になっている。困難な中で成果をアピールしていくことが必要」と述べた。

その後の取材に対し片峰学長は「個別の事業について最終的な予算配分がどうなるか分からない」と不安をのぞかせた。また別の対象項目の仕分けでも同大がケニアやベトナムに置く感染症研究拠点の運営に関する予算が縮減と判定されたとして、「大学として支え続けなければならないが限界もある。一度拠点を閉鎖したら再開するのは困難」と述べた。