『毎日新聞』2009年11月26日付

事業仕分け:「科学技術立国に逆行」 ノーベル学者ら、緊急声明を発表


政府の事業仕分けで科学技術関連事業が軒並み厳しい評価を受けているのに対し、ノーベル賞と数学界最高のフィールズ賞の受賞者6人が25日、「緊急声明」を発表した。

江崎玲於奈さん(73年ノーベル物理学賞)▽利根川進さん(87年同医学生理学賞)▽野依良治さん(01年同化学賞)▽小林誠さん(08年同物理学賞)▽益川敏英さん(同)▽森重文さん(90年フィールズ賞)の6人。益川さんを除く5人は東京大で会見。声明は「優秀な人材を絶え間なく科学の世界に吸引し、着実に『知』を蓄積し続けることが『科学技術創造立国』にとって不可欠」などと指摘。「事業仕分けは科学技術創造立国とは逆の方向」と強い言葉で批判した。

こうした批判を受け、鳩山由紀夫首相は26日午後、江崎さんらノーベル賞受賞者6人と直接会って意見を聞く。【奥野敦史】