『日本海新聞』2009年11月10日付

鳥大のバイオフロンティア事業 ハコモノ補助金が中止


鳥取大学米子キャンパス(鳥取県米子市西町)に計画している遺伝子組み換えマウスの研究施設建設をめぐり、国の補正予算の見直しを受けて整備費に充てる補助金が暗礁に乗り上げている問題で、鳥取県は9日、新たなハコモノ整備への補助金は中止されることを明らかにした。県と鳥取大は計画を見直し、キャンパス内の既存施設を活用できないか協議に乗り出した。

「とっとりバイオフロンティア」と呼ばれるバイオ産業の拠点施設で、鉄筋6階建て延べ床面積約2500平方メートルを計画。文科省の「地域産学官共同研究拠点整備事業」による補助金26億1400万円を工事費に充てる予定だった。

国は同事業費695億円のうち432億円を削減する方針を提示したが、削減の詳細は示されていなかった。

国の方針について、県は「新たなハコモノ整備を中止し、優れた成果が期待できる地域、設備に限定された」と説明。バイオフロンティアに対する補助金の減額規模はまだ不透明だが、相当額が減る見通しという。

県と鳥取大は既存施設の活用を模索する方針だが、県財政課は「代用が不可能な場合、県単独事業として整備することも視野に入れざるを得ない」としている。