『毎日新聞』京都版2009年11月13日付

京都工繊大:大学院に新専攻 循環型材料を開発−−来年度


京都工芸繊維大(左京区)は10年4月、生物資源から作るプラスチックなどを研究する「バイオベースマテリアル学専攻」(入学定員22人)を大学院工芸科学研究科修士課程に開設すると12日発表した。石油・石炭由来とは違う循環型材料を開発し、環境分野での貢献を目指す。大学によると、研究室単位では同様の取り組みをする他大学はあるが、専攻としては例がないという。

大学によると、生物資源から作るプラスチックなどは「バイオベースマテリアル素材」と呼ばれ、世界的な開発競争が起きている。トウモロコシなどのでんぷんからプラスチックが作られているが、飲料水の容器などとして広く利用されている「PET」に比べると性能が劣るという。

新専攻では、新素材の開発や構造解析などを専門とする研究室を計五つ設置。教授、准教授ら約10人を配置し、専門知識や技術のほか、社会への情報発信力を持つ人材を育成する。【朝日弘行】