『毎日新聞』三重版2009年11月13日付

包括協定:三重大、JAと 共同研究や情報交換、地域活性化を期待


地域社会に貢献する活動をすることを目的に三重大学とJAグループ三重は12日、包括協定を結んだ。農業関連をはじめとした幅広い分野での共同研究や情報交換などに取り組み、産学連携による地域経済の活性化を目指す。【大野友嘉子】

協定調印式は津市栗真町屋町の三重大学で行われ、JAグループ三重の田中利宣会長と、三重大の内田淳正学長が協定を交わした。具体的な活動は今後、両者で設置する「連携協議会」で詰めるが、農業にかかわる人の育成や、三重大の実験で得た成果をJAで活用したり、JA三重厚生連が手がける病院経営の知識を共有するなど、幅広い分野で連携する予定だ。

式では内田学長が提携について「食や健康の分野などで包括的な連携ができればいい。特にJA三重厚生連は地域の医療に大きく貢献しており、三重大も一緒に地域の医療を支えていきたい。また、日本の地域活性化の源である農業のために大学とJAが一緒になって新しいアイデアを出し、進めていくことができればいい」と説明した。

田中会長も「県内の農業の維持、発展を目指して日々活動しているが、現在の農業の状態は厳しい。消費者は安心、安全な食の確保を求めており、地域の状態に合った支援が必要だ。三重大とは幅広く連携していきたい」と述べた。

JAグループ三重は3年前に三重大の生物資源学部と連携する協定を結び、学生が提案した研究の費用の一部を負担している。一方、三重大はこれまでに民間企業や金融機関などと協定し、多くの産業分野で連携を強めている。