『日本海新聞』2009年11月6日付

県版「ドクターヘリ」 鳥大と連携 来年度、運航開始へ


鳥取県は、県消防防災ヘリコプターに医師が乗り込み、患者を治療しながら病院に搬送する県版の「ドクターヘリ」を運航させることを決め、ヘリに搭載する医療機器の経費を11月補正予算に盛り込む方針を固めた。2010年度に運航開始予定。超音波診断装置や人工蘇生(そせい)機器などを導入し、鳥取大学医学部(米子市)と連携して救急救命を試みる。

県医療政策課によると、搭載するのは腹部エコーを調べる携帯型の超音波診断装置や自動で心臓マッサージを行う蘇生装置、医師と医療機関がスムーズに連絡を取れる衛星電話など。約5千万円の経費を見込む。

県防災ヘリは1機で、普段は鳥取空港(鳥取市)に待機している。ドクターヘリとして出動する場合、米子港(米子市)で医師を乗せてから現場に向かう予定だ。空港から港まで約30分という。

ドクターヘリで山間地に出動すれば、救急車搬送よりも早く病院に到着するケースもあるほか、高速道での渋滞回避に効果を発揮できるという。同課は「医師と患者の接点を早めることで救命効果が高まり、一人でも多くの命を救うことができる」としている。