『神戸新聞』2009年10月28日付

神大大学院に「計算科学専攻」設置 来年4月


神戸・ポートアイランドで次世代スーパーコンピューター(スパコン)の整備が進む中、神戸大は27日、大学院に来年4月「システム情報学研究科」を新設すると発表した。コンピューターの高性能計算技術を学び、物理学や生物学などに応用する「計算科学専攻」を設置。全国初となる「計算科学博士」の学位を授与する。理化学研究所などと連携し、研究者の育成を図るという。

大学設置・学校法人審議会が同日認可した。従来の工学研究科情報知能学専攻を、システム情報学研究科として独立させ、計算科学専攻のほか、データ処理などを学ぶ情報科学専攻とシステム科学専攻を設ける。定員は前期課程が計80人、後期課程が計14人。

神戸大によると、計算科学専攻は国内の他大学にはなく、全国初の学位取得のため、前期・後期課程の一環教育の特別コースを置く。新薬の治験や車の風洞実験、地震を起こす地殻変動のシミュレーションなど、幅広い研究に取り組むという。

産業界や他大学との連携による講義も予定し、同大は「スパコン整備を視野に、新たな学問領域の創出と高度な人材育成を目指したい」としている。(中島摩子)