『朝日新聞』2009年10月27日付

筑波大、留学生向け奨学金制度


大学の国際化を進める文部科学省の事業「国際化拠点整備事業」(グローバル30)の支援対象に選ばれた筑波大学(つくば市)は、留学生を支援するため、大学独自の奨学金制度「つくばスカラーシップ」を設立した。これを呼び水に、同大は留学生の拡大を図る考えだ。同省によると、留学生向けの独自の同制度は珍しいという。(横山健彦)

制度は9月に設けられ、来年秋に実施する。「グローバル30」に基づき、英語による授業だけで単位が取得できる学部レベルの2コースを選んだ各数人の留学生を対象に、入試の成績により月額10万円か同6万円を支給する。採用されるのは計13人。返済は求めない。さらに、入学金(28万2千円)と入学した年度の授業料(8カ月分約35万7千円)を免除するほか、来日費用として10万円を支給する「厚遇」ぶりだ。同省留学生交流室は「大学側が優秀な学生を集めようとしている表れだろう」と話している。

留学生は母国の学校が終わるのが夏で、来日しても日本側の国や民間団体などでは奨学金の募集が終わっていることが多い。筑波大の新制度は、新たな募集が始まる翌年春までの「つなぎ支援」の役割もあるという。

同大では現在、1500人以上の留学生が学んでいる。グローバル30の対象コースを拡大させ、留学生を20年度末には4500人に増やす計画。宿舎の整備など受け入れ態勢の充実も図るという。