共同通信配信記事 2009年10月27日付

国立大入試で追試 インフル対策、本試験1週間後


国立大学協会は26日、北海道函館市で総会を開き、来年度の入学試験で受験生が新型インフルエンザにかかり2次試験を受けられない場合について、本試験の1週間後の追試験や大学入試センター試験を参考にした合否判定など、各大学が救済策をとることで合意した。

文部科学省によると、国立大学2次試験での追試などの救済策は、1995年の阪神大震災や、2008年の大雪の際に一部大学で実施したが、全国の国立大が足並みをそろえるのは初めて。

大学入試の新型インフルエンザ対策をめぐっては、大学入試センターがセンター試験の追試の日程を1週間ずらし、1月30、31日に変更するなどの特例措置を決めている。

国大協によると、2次試験の救済策は来年度入試に限った特例措置。追試験を受ける場合は、本試験1週間前から当日までに、受験生に追試験受験申請書や診断書を提出させるなど、センター試験の対応を参考にする。

実施方法や手続きなどは各大学が決め、実施日程などは受験票を送付する際に通知する。合格者は、前期・後期日程ともに本試験と追試験で合わせて決める。追試を実施せず、センター試験の結果で合否を決めるケースもありうる。

ただ文科省は「東京芸術大など芸術系大学は2次試験に作品制作などの実技試験を課しているので、追試は難しいだろう」としている。

国大協は26日付で、追試験実施にあたり、各大学に判断材料となる情報を提供するためのワーキンググループを設置した。情報を随時とりまとめ、新型インフルエンザの流行状況によっては救済策の変更も検討する。

総会後に記者会見した国大協の浜田純一会長(東大学長)は「受験生の皆さんが心配しており、大学側も対応を準備しなければならないということで方向性をまとめた。今後も状況の推移をみながら対応していきたい」と話した。