『河北新報』2009年10月24日付

秋田大に鉱物研究拠点 産出国にノウハウ提供


秋田大(吉村昇学長)は、鉱物研究の蓄積を生かし、鉱物の産出国に対する技術力支援などを担当する「国際資源学教育研究センター」を設置した。専門教員を置き、授業を受け持つ学部教員では難しい長期出張などに対応する。将来は、鉱物研究の対外的な拠点にしたい考えだ。

センターは、ダイヤモンドやニッケルが豊富なアフリカのボツワナなどで行う技術指導、留学生の研究支援、鉱物資源の需給調査などを行う。県内外の大学や企業と連携する際の窓口にもなるという。

工学資源学部の水田敏夫教授(金属鉱床学)がセンター長を兼任、ほかに2人の専任教員が配置される予定。2010年4月には3人増えて6人体制になるという。

秋田大は100年近い鉱物研究の歴史がある。11年3月開学予定のボツワナの大学や、モンゴルの大学と相次いで協定を締結。産出国にノウハウを提供し、共同研究や学生の交流を進めるのが目的で、センターをその核と位置付ける。

秋田大の鉱物研究の支援は09年度に本格化。4〜5月の大型連休には、水田教授ら3人がボツワナを視察した。ただ、学部教員は学生の授業も担当し、支援に必要な数カ月の滞在ができない。そこで学部に属さない施設の設置を検討してきた。

吉村学長は「鉱物資源の研究で、海外の大学と協力関係をつくりたい。日本の資源政策や鉱山の再開発の可能性も調査する施設を目指す」と強調する。