『徳島新聞』2009年10月17日付

県と徳大が医療提携 合意書締結、医師育成や派遣など


徳島県と徳島大学は16日、県立中央病院と徳島大病院が医師育成などソフト面で連携し、地域医療再生や効率的な病院運営に取り組むための合意書を締結した。隣接する両病院の地理的条件を最大限に活用する「総合メディカルゾーン」の一環で、医師不足が深刻な県南部や西部への医師派遣などの支援策も盛り込まれた。

合意内容は6項目。両病院は「二つで一つ」をコンセプトに▽県南部の医療充実など「県地域医療再生計画」に盛り込まれた事業▽地域・救急医療を担う医師育成▽新生児集中治療室(NICU)など周産期医療の拠点化、中央病院の小児救急医療拠点化▽がん診療の充実に向けた機能整備や県西部への医師派遣など人的支援−を連携して進める。

医薬品や診療材料の共同調達のほか、高額医療機器の共同利用、24時間運営する保育所の共同運用などにも段階的に取り組む。

県庁であった締結式には、県から飯泉嘉門知事や塩谷泰一病院事業管理者、徳島大から青野敏博学長や香川征徳島大病院長らが出席。知事は「県民の安全・安心を守る医療再生の全国モデルにしたい」とあいさつ。青野学長も「大学の持つノウハウや人材を活用し、県内の医療充実に貢献したい」と述べた。

県と徳島大は2005年8月、総合メディカルゾーン構想を進めることで合意。06年9月には、現在改築中の中央病院と徳島大病院を結ぶ連絡橋の整備や駐車場の共同利用など、ハード面で一体化する合意書を交わしている。