共同通信配信記事 2009年10月14日付

教員養成課程6年制へ 文科省が調査費要求


文部科学省は13日、現在は四年制大学卒業で教員免許を与える養成課程を、大学院2年も加えた6年に延長する方針を固めた。2010年度予算の概算要求で制度構築に向け調査費を盛り込む。政務三役が担当部局に指示した。

志望者には学部卒業後、大学院での修士号取得を義務化し、現行2〜4週間の教育実習も1年に延ばす。新たなカリキュラム作成や、高度な指導のための教授陣選考など具体策を検討する。

今年スタートした教員免許更新制は10年度にも中止する方針。既に更新した教員には、専門免許の単位に振り替えるなどの救済策も検討する。

民主党はマニフェスト(政権公約)で「養成課程は6年制とし、養成と研修の充実を図る」と明記。教員養成制度の抜本的な見直しに早期に取り組む姿勢を示していた。

受け皿には24校ある「教職大学院」を活用する。ただ、現在の修了者数は毎年800人強しかおらず、公立小中高校で年間約2万人に上る採用者数には程遠いため、文科省は都道府県ごとの教職大学院設置も検討。教育現場と直結した実習体制の強化など実務を重視したカリキュラムの充実を図り、新制度に移行させる考え。

教育学部以外の学部・学科を卒業した学生も、2年間で教職大学院を修了すれば免許を取得できるようにする。

一方、教員の質の向上策として教職大学院で学び「教科指導」「生活・進路指導」「学校経営」などの分野で高い能力を持つ教員に「専門免許状」を与える制度も新設。免許取得後8年以上の実務を経験した教員を対象にする。