共同通信配信記事 2009年9月30日付

重大医療事故、結果の公表は2割 全国80大学病院


全国80の大学病院のうち、患者に後遺症が出るような重大な医療事故について、「原因などを調査し、結果を必ず公表している」としているのはわずか21・3%に当たる17病院にとどまっていることが30日、全国医学部長病院長会議のアンケートで分かった。

残る63病院は「原則公表だが、事例によっては非公表」と回答。当事者の過失の有無などが判断材料という。

80大学病院は一昨年の同会議総会で、重大事故に関しては調査結果を公表することを申し合わせており、情報開示の徹底に向けた一層の取り組みが求められそうだ。

同日、医療事故対策委員長を務める嘉山孝正山形大医学部長が記者会見し「『必ず公表』の割合を上げる必要はあるが、すべての大学病院が基本的には公表する姿勢を取っており、その点は評価したい」と話した。

80病院の内訳は、国立が43、公立8、私立29。重大事故の調査結果を「必ず公表」としたのは、国立10、公立2、私立5。「事例によっては非公表」は、国立33、公立6、私立24だった。

一方、事故の報告については、すべての大学病院が「病院長らへの連絡義務」などの規定や期限を設定し、調査委員会を立ち上げる基準を設けていた。調査委に弁護士ら医療従事者以外が「必ず入る」としたのは23。7施設が「入らない」とした。