『長崎新聞』2009年10月1日付

長崎大がイサハヤ電子と産学連携で協定 次世代技術の開発など目指す


長崎大(片峰茂学長)は30日、半導体メーカーのイサハヤ電子(諫早市、井嵜春生会長兼社長)と産学連携の協定を結んだ。大学の研究力と民間企業の技術力を結合し、次世代技術の開発や研究者・技術者の育成を目指す。

具体的には、再生エネルギー分野を中心に技術開発を進める。手始めに、風力発電の制御装置をより高電圧に耐えられるような仕組みにして、発電機の小型化や低価格化を図る。

同社は既に、携帯電話など家電全般に使う半導体デバイス(素子)のトランジスタ製造で、高温多湿の劣悪な環境でも機能する信頼性の高い部品を、同大と共同で開発し、特許を申請している。

長崎市文教町の同大であった調印式で、井嵜会長はこれらの新技術について「できるだけ早いレベルで実用化し、世界に発信したい」と述べた。

このほか研究者同士の交流も推進し、同社は学生のインターンシップ(就業体験)も受け入れる。同大が製造業企業とこうした協定を締結するのは初めて。片峰学長は「産学連携は中央の大学に比べ立ち遅れており、今回の協定は大学の発展の重要なステップ。世界でオンリーワンの技術を開発できるよう祈念する」と期待を寄せた。