『神戸新聞』2009年10月1日付

神戸市の新設小児救急拠点 神戸大など運営参加
 

神戸市は30日、同市中央区のHAT神戸に開設を決めている夜間・休日の小児初期救急医療拠点について、同市と市医師会、神戸大などで連携してつくる「市小児救急医療事業団(仮称)」が運営する、と発表した。市医師会や神戸大は、医師の確保などに努める。市によると、こうした取り組みに大学が参加するのは珍しいという。

新たな拠点は、2010年度冬にオープン予定。軽症患者を年間通じて受け付ける。

市によると、同日、市と市医師会、神戸大が基本合意書を締結。今後、市や市小児科医会、同大医学部を中心に事業団をつくる。市医師会は会員に対して拠点への協力を要請し、同大は医師を派遣するなどする。

神戸市内の休日・夜間の小児初期救急は現在、急病診療所(中央区)と小児科休日急病診療所(西区)で対応しているが、医師不足のため深夜対応できず、入院などに対応する2次、3次の医療機関に頼っているのが現状。初期救急の拠点を設けることで、2次救急病院などの負担軽減を図る。

一方、市は、10月から神戸大に、子どもの初期診療などをテーマとする講座を開設。本年度から13年度までで、人件費や研究費などとして年間最大9000万円を負担する。

(紺野大樹)