共同通信配信記事 2009年9月29日付

神戸大病院で残業代不払い 1億6千万、労基署が指摘


神戸大が付属病院の職員延べ788人に総額約1億6千万円の残業代を支払っていないとして、神戸東労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが29日、分かった。

職員は研修医が中心で、実態よりも少なく残業時間を申告していた。不払い期間は計約1年8カ月にわたり、神戸大は4月までに支払った。

2004年度の国立大法人化以降、労働基準法の対象となったことで、広島大や東北大など付属病院のある国立大を中心に残業代不払いが相次いで発覚している。

神戸大によると、是正勧告を受けたのは08年10月と今年2月の2回で、不払いの期間は07年2月から08年9月まで。

残業について神戸大は、実際に診察に当たったり医師から指導を受けたりした時間を申告するよう研修医に指導していたが、労基署から待機などを含め拘束時間すべてを労働時間として扱うように求められたという。

神戸大は「労働時間について労基署と認識の違いがあった。是正勧告を真摯に受け止め、今後は健康管理の観点から適切な労務管理に努めたい」としている。