共同通信配信記事 2009年9月25日付

補正見直しで大学など視察 文科相、一律停止はせず


川端達夫文部科学相は25日、文科省の本年度補正予算約1兆3千億円に盛り込まれた、国立大学法人や独立行政法人向けの施設整備費補助金を見直すため、補助金交付先の東京海洋大(東京都港区)などを視察した。

川端氏は視察後、記者団に「新しくハコモノを造ることにはブレーキをかけるが、施設老朽化対策など大事な事業もある」と述べ、一律に補助金の執行停止をせず、事業ごとに緊急性などを考慮して継続か凍結か選別を進める考えを示した。

また川端氏は「本当に必要な事業が本予算でなく補正予算に計上されることが一番の問題だ」と話し、予算編成の方法を改めるべきとの見解を表明した。

視察には副大臣、政務官も同行。東京海洋大では、大学職員らから講堂の耐震化工事の実施状況や、研究用機材の老朽化などの説明を受けた。

文科省によると、補正予算のうち国立大学法人、独立行政法人向けの補助金は計約2600億円。全国の大学の施設改善(664億円)や、「国立メディア芸術総合センター」整備(117億円)などが含まれている。