『中日新聞』2009年9月16日付

08年度の中期計画おおむね順調 県公立大学法人評価委


県内の公立大学の業務実績を評価する県公立大学法人評価委員会(委員長・山本進一名古屋大学長顧問)は、2008年度の各大学の運営や教育の充実について「中期計画をおおむね順調に実施していると認められる」との評価結果をまとめた。

県は07年4月、県立大と県立看護大(今年4月に統合)、県立芸術大の3大学を運営する県公立大学法人を設立。魅力ある大学づくりに向けて12年度まで6カ年の中期計画を策定し、外部の有識者が毎年、進ちょく状況を評価している。

本年度は、「業務運営の改善及び効率化」「財務内容の改善」「教育研究などの質の向上」などに分類される計236項目を評価対象とした。このうち13項目で「計画を十分には実施していない」と遅れを指摘したが、全体では前年度と同様に「おおむね順調」と判断した。

「計画を十分には実施していない」とされた取り組みとしては、「外部研究資金の積極的獲得」で、科学研究費補助金などの獲得額が前年度実績から減少したと指摘。「評価結果の積極的な公表」については、「計画ではホームページや印刷物で公表するとしたが、どの大学もホームページに公表していない」と評価を下げた。

一方、県立大と県立芸術大で今年4月から、大学院博士後期課程が設置されたことに対し「実現に向け、教職員が真摯(しんし)に取り組み、努力した」と積極的な評価もみられた。

(岩崎健太朗)