『河北新報』2009年9月22日付

商店街にキャンパス 山形大工学部、産学連携の拠点に


山形大工学部は10月1日、米沢市の中心商店街にサテライトキャンパスとして「ものづくり・ひとづくりキャンパス」を開設する。地元企業の国際競争力を強化するため、産学連携の拠点にする考えだ。

山形大は今春、大学院のものづくり技術経営学(MOT)専攻に、世界的な視点に立って経営戦略を立案できる人材を育成する「グローバル戦略コース」を新設した。

新しいキャンパスは、戦略コースの研究拠点となる施設で、デパートなどが並ぶ米沢市門東町の平和通りに面したオフィスビルの1、2階部分(約260平方メートル)に開設。講義や実験を行うほか、地元企業との産学連携事業、経営者育成のセミナーなどに活用する。

本年度は地元の中小企業の関係者約20人を対象に「米沢ものづくり若手経営者塾」を6回実施。10月1日に山形市のホテルでキックオフセミナーを開き、橋本久義政策研究大学院大教授が「サブプライムに負けるな 日本の中小企業の底力」と題して講演する。

山形大の小野浩幸地域共同研究センター長は「シャッター街になりつつある中心市街地の活性化に、大きな役割を果たしていく」と期待している。