『毎日新聞』福岡版2009年9月24日付

連携推進協定:西日本高速道路、九大と締結へ 共同研究や人事交流


西日本高速道路と九州大は、共同研究と人事交流を図る「連携推進協定」を締結する。大学の若い技術者をインターンシップで同社に受け入れ人材育成を図ると共に、九州道の耐久性などについて九大の研究ノウハウを活用するのが狙い。29日に九大箱崎キャンパスで調印式を行い、年内にも産学共同研究の成果を検討する「技術交流会」を開催する。

同社によると、九州は全国に比べて高温多湿で、大分道・日出JCTなど場所によっては濃霧が発生して高速道路が通行止めになることも多い。同社は九大との連携により、こうした九州特有の気象条件を考慮した道路建設・管理の技術開発やコンクリートの耐久性向上の研究を進めたい考えだ。

また、同社は技術職員らを九大に教授・准教授として出向させる一方、九大からは主に大学院生のインターンシップを積極的に受け入れる予定だ。連携の成果は定期的に両者で会議・交流会を開き、検証を重ねていくという。

同社は昨年3月、大阪大と協定を結び、床板コンクリートのはく離に関する統計分析などを共同で行っている。九大との提携は初めてで「産学連携で道路の安全性が高まれば、九州道だけでなく、国内すべての高速道路に大きな貢献ができる。気象による通行規制が減れば、利用者のメリットも高まる」と期待を寄せる。【夫彰子】