『山陰中央新報』2009年9月7日付

松江で4大学連携の医療人養成研修会


島根大と鳥取大、神戸大、兵庫医科大の4大学病院が6日、昨年秋から進める事業「山陰と阪神を結ぶ医療人養成プログラム」の研修会を松江市内のホテルで開いた。事業を活用した研修医からは、他大学病院への派遣を通じて「見聞を広められた」と提携を評価する意見が出された。

事業は、卒業後2年間の初期研修を終えた各大学病院の後期臨床研修医が対象。各大学病院が得意分野を生かしたメニューを持ち寄り、研修医が大学の枠を超えて行き来することで、より高度で幅広い研修ができる。

この日の研修会は関係者約80人が出席。文科省担当者の講演の後、研修医や教官ら7人がパネルディスカッションした。

研修医の立場からは、鳥取大病院の山■(崎の大が立)亜矢子皮膚科医科医員が、島根大病院での研修を振り返り紹介。食物アレルギーなど島根大の得意分野を吸収できたとし「自分の診療を客観視する、いい機会になった。人脈もできた」と評価した。

教官たちからも「研修の幅が広がり、研修医の意欲が高まった」との声が相次いだ。

一方、ただでさえ人手不足にある病院現場からの派遣は容易ではない中で、島根大病院の森田栄伸皮膚科教授は、鳥取大病院皮膚科との間で、互いに一対一の交換で研修医を派遣した工夫を紹介した。