『東京新聞』茨城版2009年9月10日付

臨床検査施設設置へ 筑波大付属病院検査結果の判明早く


筑波大(つくば市)は七日、臨床検査大手の三菱化学メディエンス(東京都港区)と共同で「つくば臨床検査教育・研究センター」を付属病院の敷地内に設置し、二十年にわたり運営する事業契約を締結した。

付属病院は国立大学法人として初の民間資金を活用したPFI(民間資金活用による社会資本整備)方式で再整備している。だが、検査部門は幅広い医療分野との連携で業務が拡大しつつあり、当初計画の変更が難しいPFI事業から同部門の一部を切り離した。

センターは、同病院や地域の医療機関から検体検査を請け負うほか、大学側が教職員を派遣して臨床検査技師の教育と研修、検査に関連した技術開発などを行う。患者にとっては、検査結果が現在よりも早く判明する利点があるという。

施設は同社が十月に着工し、共同で設立する特定非営利活動法人(NPO法人)の下で二〇一一年一月に運営を始める計画。事業費は二十年間で総額約百二十億円。

五十嵐徹也病院長は「検査部門の拡大と発展を考えており、地域に開かれたセンターとして地域医療に貢献したい」と話している。 (小沢伸介)