共同通信配信記事 2009年9月4日付

先端研究30件を支援へ 民主は凍結も示唆


政府の総合科学技術会議(議長・麻生太郎首相)は4日、世界をリードし得る最先端研究を支援するため、本年度補正予算2700億円でつくる「先端研究助成基金」の支給対象30件を決めた。山中伸弥京都大教授による新型万能細胞「iPS細胞」の再生医療応用研究などが選ばれた。

麻生首相が同会議で「最後は私が決める」と繰り返していた、肝いりの事業。民主党もこの制度には基本的に協調姿勢を取ってきたが、岡田克也幹事長は同日、「新政権がスタートすれば精査の対象。凍結もありえる」と話した。

決定した助成先はほかに、画期的ながんの放射線治療装置開発(白土博樹北海道大教授)、世界最高性能の有機ELデバイス開発(安達千波矢九州大教授)など。ノーベル化学賞を受賞した島津製作所の田中耕一さんの次世代質量分析システム開発も選ばれた。

制度上、3〜5年にわたり、それぞれ30億〜150億円を給付できる。

支給対象は7月に公募を開始し、565件の応募があった。有識者でつくるワーキングチームが書面審査やヒアリングを行い、8月末に約60件の候補を選定。4日の総合科学技術会議直前に開かれた最先端研究開発支援会議で30件に絞り込んだ。