『毎日新聞』愛媛版2009年9月3日付

愛媛大:植物工場など新設 補助金で年度内にも着工


愛媛大は2日、経済産業省の09年度「先進的植物工場施設整備費補助金」への申請がこのほど採択され、6億5000万円の補助金で農学部などに植物工場2棟などを新設すると発表した。

愛媛大の進める植物工場研究は太陽熱利用型のハイテク温室で、トマトなどが対象。これまでに松山市樽味3の農学部内の温室(500平方メートル)を使い、植物の生育状態を各種センサーで調べて、温室内の温度や二酸化炭素濃度などの環境を最適に自動制御する「知的な」植物工場の研究を進めてきた。今回の採択で、同学部に1200平方メートルの温室と研究研修棟(2〜3階建て)、西条市に500平方メートルの温室を新設すると共に、近く「知的植物工場基盤技術研究センター」を設けて、植物工場の普及や必要な人材育成に向け研究を加速する。年度内にも施設着工を目指す。

また同大学医学部が医師・医学研究者不足の解消を目指す「地域・大学一体型先導的研究者育成システム」も文部科学省の「組織的な大学院教育改革推進プログラム」(09〜11年度1億2200万円)に採択された。所属講座の枠に縛られない疾患領域別の「感染・炎症・免疫学」「ゲノム医科学」など計10コースに大学院生を所属させ、基礎と臨床が融合した教育研究を進めることなどが特色。【古谷秀綱】