『読売新聞』福島版2009年9月3日付

後期研修医に資金貸与へ
南相馬市 5年間限度、月22万円


南相馬市は、市立病院の医師確保を目的に、専門医を目指す後期研修を受けている医師に対して研修資金を貸与する制度を設けることを決めた。9日開会する9月定例市議会に条例案を提出。可決され次第、今月末にも募集を始める方針。

同市が2日発表した条例案では、市立病院に勤務しようとする意思がある後期研修中の医師に対して、5年間を限度として月額22万円を貸与。研修後、貸与期間と同じ期間、市立病院に在職すれば返済を全額免除する。募集予定は、毎年1人程度。

同市立総合病院は、医療法で定める標準医師数24人に対して常勤医師は14人にとどまり、リハビリテーション科では東北大から医師の派遣を受けている。このため、対象となる診療科についても東北大学病院肢体不自由リハビリテーション科を想定している。

渡辺一成市長は2日の定例記者会見で、「後期研修医を対象にした制度は全国的にも珍しいのではないか。研修医の待遇改善にもつながる。今後、対象診療科を広げていきたい」と述べた。