共同通信配信記事 2009年8月31日付

大学・企業の共同研究5年で倍増 地元で活用も


大学と企業が連携し先端技術や農産物などを開発する共同研究が、2008年度に1万7638件と、最高になったことが31日までの文部科学省の調査で分かった。最近5年間でほぼ倍増した。地方の大学と地元企業が組むケースも定着し始めており、厳しさを増す地域経済のてこ入れ策としても活用されつつある。

同省によると、大学や短大、高専で行われた共同研究は、03年度は9255件だったが、毎年右肩上がりで増加。08年度は計356校で実施。研究件数の1、2位は東大、京大が占めたが、上位30校には北海道や東北、信州、広島など地方の大学も名を連ねた。

研究相手は企業が85%に当たる1万4974件を占め、次いで公益法人が1800件、自治体は365件だった。分野別では、生命科学やナノテクノロジー(超微細技術)などが多かった。

文科省は、法人化されて特許権の管理体制整備が進み、社会貢献を重視する大学に対して、大学の専門性を活用したいという企業の思惑が合致したと分析。政府の研究資金の提供が増えたことも急増の背景とみている。