『岩手日報』2009年8月29日付

岩手大が県外団体と初協定 産学官連携狙う


岩手大学(藤井克己学長)は28日、横浜市の財団法人横浜企業経営支援財団(IDEC、清水利光理事長)と産学官連携に関する基本協定を締結した。岩手大が県外の産学官連携推進組織と連携協定を結ぶのは初めて。大学の持つ知的資産を活用し、首都圏の中小企業との共同研究などを推進するとともに、企業間連携に発展させ県内企業への波及効果も狙う。

調印式は同日、横浜市中区の同財団で行われ、岩手大からは藤井学長らが出席した。

協力事項は▽横浜市をコアにした産学官による地域連携の推進▽大学の研究成果と横浜市内企業のマッチング▽財団が保有する産学官−金融連携ネットワークの活用−など。

IDECは市内の中小企業(約10万事業所)などを対象とする公的な支援機関。市内の理工系大学やメガバンクを含む金融機関などのネットワークを活用した産学官連携に取り組んでいる。

連携により、岩手大はIDECが4月に設置した横浜産学連携サテライトでの情報提供や、協議などでの利用のほか、見本市への出展などにより、大学の知的資源の新たな活用先を探る。大学発ベンチャーの販売支援、メガバンクとの連携も期待される。

岩手大の斎藤徳美副学長は「情報を首都圏に発信し、県内企業との連携、資金調達などにより地域に活力を呼び込みたい」としている。

IDECは2007年度から全国の大学と連携を進めており、横浜市以外の大学では岩手大が11校目。北海道、東北では最初となる。