共同通信配信記事 2009年8月28日付

文科省、教育費の負担軽減に重点 10年度概算要求


文部科学省は28日、2010年度予算の概算要求を発表した。一般会計総額は本年度当初予算比で14・5%増の6兆461億円。不況を受け、高校生向けに返済不要の「給付型奨学金」を創設するなど教育費の負担軽減に重点を置いた。

ただ民主党は10年度からの高校の実質無償化を主張。小学6年と中学3年の児童・生徒に実施している全国学力テスト(要求額57億円)なども見直す方針を固めており、政権交代の場合、要求の大幅な変更は必至だ。

給付型奨学金には455億円を計上。年収350万円以下の世帯の生徒約45万人が対象で、入学金や修学旅行費、教科書代などを、都道府県を通じて支給する。

ほかの負担軽減策では、幼稚園の授業料を減額している地方自治体向けの幼稚園就園奨励費補助金に25・2%増の255億円を計上。大学の授業料減免制度も拡充し、奨学金を貸与する学生数は115万人から120万人に増やす。

公立小中学校の教職員定数は、地方公務員削減を定めた行政改革推進法に抵触しない範囲で最大となる5500人増員を要望。公立小中学校などの校舎5千棟の耐震化を含む学校施設整備関連は2775億円を求めた。

科学技術では、一部メーカーの撤退でシステム構成を改めた理化学研究所の次世代スーパーコンピューター開発に450億円を計上した。