『西日本新聞』2009年8月21日付

九大と宇宙機構 協定 若田さん 「本物に触れる好機」


国立大学法人・九州大学(有川節夫学長)と宇宙航空研究開発機構(宇宙機構、立川敬二理事長)は20日、研究や教育、人材育成面での連携協力協定を結んだ。これまでは研究者レベルだった協力関係を強化し、日本の宇宙開発のために力を合わせるという。この日、福岡市東区の九大で調印式があった。

宇宙機構は2年前から全国の大学と同様の協定を締結しており、九大で8校目。九州の大学では初めて。宇宙理学、宇宙工学、航空技術の3分野で共同研究や連携講座などを行う。将来は宇宙医学や文化芸術など他分野への拡大も目指す。

この連携により、九大は宇宙機構の大型設備を利用できるほか、学生の教育効果などを期待。宇宙機構は大学側の研究支援や宇宙利用の促進につながるとしている。

具体的には、宇宙機構の人工衛星と九大の地上観測網を利用した磁気嵐の研究や、九大が先進的に取り組む宇宙ゴミ(デブリ)の共同研究などが検討されている。

九大は宇宙飛行士の若田光一さん(46)の母校で、若田さんは今回の協定に「九大の学生が、大学の勉強とはひと味違った本物に触れるチャンスになると思う」とのコメントを寄せた。