『日刊工業新聞』2009年8月20日付

NEDOと山梨大など、燃料電池の低コスト化へ材料研究センター本稼働


新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と山梨大学、山梨県は19日、燃料電池の国際共同研究拠点「山梨大学燃料電池ナノ材料研究センター」を本格稼働させると発表した。燃料電池普及の課題である低コスト化や耐久性向上の研究を加速するのが狙い。国内外の研究者を集めた体制を敷き、固体高分子形燃料電池(PEFC)に用いる電極触媒や電解質膜などの新材料の開発を進める。

同センターは山梨大甲府キャンパスに隣接した場所に設置、25日に開所する。事業予定額は建物と設備を含めて約27億円。センター長にはNEDOプロジェクトリーダーの渡辺政廣山梨大教授が就く。研究者数は海外の研究者9人を含む30人。反応を原子レベルの分解能で観察できる電子顕微鏡など、世界最先端の研究設備、実験環境を用意し、研究成果の創出につなげる。