『読売新聞』2009年8月11日付

国家公務員の月給・ボーナス、6年ぶり下げ


人事院(谷公士総裁)は11日午前、2009年度の国家公務員一般職(行政職)の給与について、月給を平均863円(0・22%)、期末・勤勉手当(ボーナス)を過去最大の0・35か月分(7・8%)それぞれ引き下げるよう内閣と国会に勧告した。

月給・ボーナス同時の引き下げ勧告は6年ぶり。景気悪化で民間企業の給与水準が低下し、公務員の給与が民間を上回る「官民逆格差」が生じたため、これを是正するものだ。

月給は基本給(俸給)を平均0・2%(596円)引き下げるが、初任給を含め、30歳未満の若年層は据え置く。本省の課長・室長級以上の管理職は0・3%引き下げる。自宅の取得後5年間支給している住居手当(月額2500円)は廃止する。

ボーナスは、民間の状況を踏まえ、4・15か月分とする。5月の臨時勧告で夏期ボーナスがすでに0・2か月分減額されているため、冬期ボーナスは0・15か月分減らして2・2か月分の支給となる。

勧告通りに実施されると、平均年収は前年度比15万4000円(2・4%)減の635万6000円となる。年収の減少は4年ぶりで、16万5000円(2・6%)減だった03年度に次ぐ過去2番目の減少幅だ。財務省によると、国の費用負担は1390億円程度減る見込みだ。

また、人事院は勧告にあわせ、13年度からの年金支給開始年齢引き上げに伴い、定年年齢を段階的に引き上げ、25年度に65歳とするための検討を進める方向も打ち出した。

これに関連し、総務省は11日午前、人事院勧告に準じて全国の地方自治体が期末・勤勉手当などの給与改定を行った場合、約3840億円の減額になると発表した。

◆勧告の骨子◆

▽民間との給与格差を是正するため、4年ぶりに月給を引き下げる。 行政職は平均863円(0・22%)の引き下げ。

▽期末・勤勉手当(ボーナス)を過去最大の0・35か月分引き下げ、4・15か月分とする。

▽今回の改定で、平均年収は15万4000円(2・4%)減となる。減少幅の大きさは過去2番目。