『産経新聞』群馬版2009年8月8日付

群大病院、民間に土地貸し出し 国立大病院初 商業施設を建設へ


独立行政法人化に伴い国立大学への交付金が減少する中、群馬大医学部付属病院(前橋市昭和町)は民間事業者に一部敷地を貸し、新施設の建設・運営を委託することを決めた。同大によると、国立大病院敷地の民間貸し出しは全国で初めて。

同大によると、貸し出される敷地は約1000平方メートル。公募で選ばれた財団法人「同愛会」(同町)と交渉を進めており、コンビニエンスストアやフードコートが入る施設「アメニティーモール(仮称)」の建設を計画しているという。契約期間は来年度から20年で、同大は約4億円の建設費節約や年間数百万円の収入を見込む。

現在は設計案を策定中で、完成は来年夏ごろを予定。入院患者らからアンケートを取り、DVDレンタルなどの新サービスも検討しているといい、同法人は「民間ならではのきめ細やかで柔軟なサービスを提供したい」としている。

国立大学付属病院長会議の平成19年度調査によると、全国45の国立大病院の中、約6割の28病院が現金収支で赤字を計上。同大でも19、20年と続けて数億円の赤字となっていた。同大昭和地区の山口正事務部長は「サービスの向上が期待できる上、経営の安定化を図ることも可能になる」と話している。