『東京新聞』2009年7月17日付

国家公務員65歳定年 中・高年の給与引き下げ


国家公務員の定年延長を検討している人事院の有識者研究会(座長・ 清家篤慶応義塾塾長)の最終報告が十六日、明らかになった。現在六十歳となっている国家公務員の定年を六十五歳まで段階的に引き上げる一方、中高年層と六十歳以降の給与引き下げで総人件費増大を抑制するよう提言している。

人事院は、七月中に正式決定される最終報告を踏まえ、来年度にも定年延長に向けた法令改正を政府などに求め、二〇一三年度からの導入を目指す。

最終報告は、定年延長の理由として、年金の支給開始年齢が一三年度から段階的に六十五歳まで引き上げられることに伴い、六十歳定年のままだと無収入の期間が生じることなどを挙げた。

報告によると、幹部職員については、職場の活力維持のため六十歳をめどとした役職定年制を導入。

役職定年後は(1)専門職として省庁で働き続ける(2)公務員の身分を残したまま公益法人や大学に出向する(3)加算された退職手当を受け取って早期退職する−のいずれかを選ぶ。

総人件費増大を抑制するため、六十歳までの中高年層の給与は段階的に引き下げ、六十歳以降で一気に引き下げ幅を拡大する。また、定年延長に伴い、幹部以外の一般職員は昇進スピードが五年遅れることになる。

国家公務員の定年延長は、公務員制度改革の工程表でも検討事項に挙げられていた。