『信濃毎日新聞』2009年7月23日付

県内8大学、来年度の遠隔講義システム開始へ試験運用進む


信大(本部・松本市)など県内8大学が取り組む「高等教育コンソーシアム信州」の遠隔講義システムが、来年度の運用開始に向けて試験を重ねている。4回目の運用試験があった22日は、信大繊維学部(上田市)の教員の講義を映像、音声ともに8大学・11カ所に中継。大学間での意見交換もして、同システムの使い勝手を確認した。

コンソーシアムは昨年11月に発足。信大のほか、県看護大(駒ケ根市)、佐久大(佐久市)、諏訪東京理科大(茅野市)、清泉女学院大(長野市)、長野大(上田市)、松本歯科大(塩尻市)、松本大(松本市)が参加する。

5月21日に始めた試験運用は、システムの作動確認とともに、遠隔講義でのマイクの位置や目線の置き方など教職員の注意点を把握するのが目的。各大学の教育について教職員が意見を交わす機会にもしようと、過去3回の運用試験では、学生の学習とコンピューターの関係などを講義のテーマに取り上げた。

22日は、信大繊維学部の粂井資行・特任教授が学生の海外留学を進める取り組みについて話した。8大学の教職員計52人が聴講。講義の後、各大学から自校の取り組みを紹介する映像と音声が送られた。「声が小さく聞こえる。マイクが遠いのでは」との指摘があり、問題点をチェックした。

コンソーシアムの「推進チーム会議」リーダーの小坂共栄・信大副学長は「各大学の個性ある授業を大勢の学生が聞くことで、足りない内容を補い合える。県内の4年制大学のレベルアップにつなげたい」と話した。次回の試験運用は30日で、一般の人も聴講できる。問い合わせは信大内の事務局(電話0263・37・2194)へ。