『陸奥新報』2009年7月11日付

弘大と弘前市立病院が専門医養成で連携


弘前大学大学院医学研究科、同医学部付属病院と弘前市立病院は10日、「弘前大学専門医養成病院ネットワークに関する協定」を締結した。県内では勤務医を中心に深刻な医師不足が続いており、弘大を中心に県内自治体病院などとネットワークを整備することで専門医養成、医学部教育、卒後研修医の教育などで連携し、地域医療の充実に役立てる。弘大と自治体病院との協定締結は初めて。

協定ではネットワークを生かし、医師免許取得後3年目以降の医師を対象とした専門領域ごとの研修プログラムの確立、専門医研修、指導する中堅医師の確保、医療面での連携、専門医、学会が認める認定医資格取得の促進などで連携、協力する。

同日、市立病院で行われた締結式では、佐藤敬弘大大学院医学研究科長、花田勝美弘大医学部付属病院長、松川昌勝市立病院長が協定書に署名した。

佐藤研究科長は「地域で医師がキャリアアップを図るためのシステムが明確となった」、花田病院長は「専門医をしっかり養成していかなければ地域医療は育たない」とシステムの意義を強調。

また松川院長は「医師を地域で育て、地域医療の充実に生かす有効な制度。弘大と協力関係を深め、成果に期待したい」と述べた。

協定の有効期限は2010年3月末までで、有効期間満了の1カ月前までに双方から申し出がない場合、1年間、自動的に更新される。

弘大は今後、県内の他の病院ともネットワークを広げたとしている。