『東京新聞』千葉版2009年7月8日付

移転断念を正式決定 千葉大園芸学部


松戸市の千葉大園芸学部が、大学本部のある千葉市への移転を検討していた問題で、同大は七日、臨時役員会を開き、本部に隣接する東京大の敷地を購入しないことを正式に決めた。これにより移転構想は白紙になった。

役員会には斎藤康学長と理事五人が出席し、移転問題を協議。千葉大財務課は「審議の結果、東大跡地は購入しないことが了承された」という。購入断念の理由について同課は「財源が確保できない」「移転すれば赤字になる可能性がある」と説明した。

園芸学部の敷地を売却し購入費に充てる案も協議されてきたが、先月末の同学部教授会で、移転すると大幅な赤字になる可能性が指摘され、移転撤回の方針が決まっていた。

松戸市の川井敏久市長は「残してほしいという市民の願いがかなった。園芸学部の歴史と文化を守るため今後も協力を惜しまない。今年の創立百周年は市を挙げて祝いたい」との談話を出した。

市民団体「移転に反対する松戸市民の会」の山室一雄会長は「十五万人を超える署名活動をはじめ、反対運動が良い結果になりうれしい。応援してくれた市民に感謝します」とコメントした。 (武田雄介、川田栄)