『大分合同新聞』2009年7月2日付

学部の再構成に結論 再任の羽野大分大学長


大分大学は任期満了(9月30日)に伴う次期学長に、現学長の羽野忠氏(63)を再任した。任期は2年。羽野氏に今後の大学経営や地域との連携などについて話を聞いた。

―2期目に向けた抱負は。

1期目の4年間は大学法人としての組織づくりと、職員の意識改革に取り組んだ。これからの2年は大分大学のイメージを決める重要な時期なので、飛躍しないといけない。

―具体的には。

国が求める学部構成の見直しは、わたしの任期中に結論を出したい。現在の教育福祉科学、経済、工、医の4学部体制で将来も受験生の確保は可能か、という視点に立って考える。専門知識を身に付ける大学院教育では、特に前期修士課程(2年)を充実させたい。

―地域や自治体との連携も大事な課題だが。

地域・自治体と大学が“がっぷり四つ”に組んだ取り組みが必要だ。例えば、大学の教員が行政などの各種委員会に学識者の代表として出ることが多いが、主張すべきはしっかり主張すべきだし、施策の実行段階にも何らかの形で加わるなど、責任ある態度で臨むことを求めたい。各種委員に就く教員が固定化しないような仕組みも考える。

―昨年の県教委汚職事件に絡んで教育福祉科学部教授が辞職している。連携の“中身”も問われている。

お互いのチェック機能が足りなかった。連携する際には組織としての自立性が必要だ。教育福祉科学部にとって教員養成は使命だし、採用試験対策を強化したのは事実だが、事件との関係は不明のまま。学生の努力で合格者が増えるのはいいが、アンフェアではいけない。連携で得られた結果については第三者による評価が必要だ。

(聞き手は社会部・友永敬介)